もう「ICOって何ですか?」は許されないフェーズに

「『お金に働かせる』をもっと身近に!」、eVestment BootCampの管理人、木戸です。

仮想通貨を触ったことがある方なら、ICOという言葉は聞いたことがあると思います(詳細は以下の記事にて)。

【ICOという革命】誰でもベンチャー投資が出来る時代に

ICO銘柄の法的な位置付けを調べてみたよ

スイスが、投資家保護を目的に、オーストラリアに次いでICOの規制整備に動き出しました。各国もいずれ何かしら動くと思われます(特に仮想通貨に親和的な国は)。間違いなく、ICOは資金調達のスタンダード(の一つ)になるでしょう。

特に金融業界の人は、危機感を持って本気で勉強した方が良いです。という訳で、各国の規制の動きも踏まえてICOに対する私見を書き殴ります。

ICOは経営者にとっては最高の資金調達方法

ICOはInitial Coin Offeringの略称で、簡単に言うと、企業(あるいは技術者集団等)が独自の仮想通貨を発行して資金調達を行うことを指し、株式上場=IPO(Initial Public Offering)と対比されることが多いです。

資金調達という観点で、企業が取れる戦略には、これまでは以下のような2通りの方法がありました(寄付や対価に現物支給を用いた調達もありますが、多額の資金調達という意味では以下の2つと解釈)。

  • 株式による資金調達(株式会社のみ):企業は株式を発行して、それを投資家に渡す代わりに、その株式の量に応じた資金を得る方法。
    メリットとして、株式譲渡・売却により得た資金には、返済義務がない。
    一方、会社経営に関する様々な権利(経営権や支配権、拒否権 等)を創業者以外に渡すことを意味します(株式の保有量に応じますが)。これは、会社や事業運営に創業者以外の第三者の関与を許すことになるため、創業者にとっては、事業運営に制約を課されることになるというデメリットが出てきます。
  • 借入(債券)による資金調達:銀行等の金融機関に与信審査をしてもらい、一定の利息を支払うことを条件に、投資家(債権者)から一定額の資金を調達する方法。
    メリットとして、一般的には株式のような権利が、貸し付ける側に発生しないことです(貸付条件にもよる)。
    デメリットとして、調達した資金に返済義務があることです。仮に、会社を清算することになったとしても、債権者から借り入れた資金は弁済義務があり、会社の資産が残ってる内は、それを債権者に譲渡する必要が出てきます。

このように、従来の資金調達方法は、メリット・デメリットがあり、どちらを選択するかは経営者にとって悩ましい問題でした。

しかし、この資金調達戦略に、ICOという新たな選択肢が出てきました。

長い間、企業の資金調達方法は上記の2つのみに限定されてきたのですが、そこに新たな第3の方法を提供したという意味もありますが…。それ以上に、株式・借入にあったようなデメリットが生じることなく、資金調達が可能となるため、創業者から見たら、夢のような調達方法なのです。

また、当サイトでこれまでも述べてきたように、投資家にとってもICOは革命と言えます。それは、「誰でも簡単にベンチャー投資の機会を得られるようになった」という点です。

ベンチャー企業、とりわけスタートアップ企業への株式投資は、これまで一部の投資家(ベンチャーキャピタルファンドや富裕層)に限定されてきました。

一方で、ICOという資金調達方法は相対的にデメリットが少ないため、ベンチャー企業がこぞってICOによる資金調達を始め(以下の記事を参照)、これがごく普通にインターネット上で、金額の上限なく誰でも申し込めるのです。

2017年のICOによる資金調達状況

2017年はICOにとって記録的な一年だった。数百件のICOが実施され、約4500億円の資金調達が行われた。

(出所:COINTELEGRAPH『ICOによる17年資金調達額は4500億円、前年比40倍』より一部抜粋)

このビッグウェーブに乗らない手はないですよね?(笑)

でも投資家保護がおざなりに

一方で、現状は非常に危うい投資でもあります。

株式では、経営権(の一部)を取得できるというメリットを得ることができ、借入(債券)では、返済義務を契約・法律で縛ることで投資の保全を図ることができます。

しかし、ICOは資金調達の構造上、経営権という観点で何のメリットもなく、返済義務のような投資の保全も図られません。加えて、投資家保護に向けた規制も十分に整備されていないため、以下のような危険な状況にあります↓

  • ICOの半分以上が詐欺という実態も
  • インサイダー取引がやり放題
  • ハッキング被害 等々

こういった危険な状況が、報道等を通して、まるで全てのICOが胡散臭いかのような印象を与え「ICO=悪、何となく恐い」となり、金融業界の人ですら敬遠し勉強をしない理由を与えてしまいます。

インサイダー取引とは(あくまで株式投資について)

内部者取引(ないぶしゃとりひき)またはインサイダー取引(インサイダーとりひき、insider trading)とは、未公開情報を不法に共有・利用して証券市場取引を行い、情報を持たない投資家に損害を与える犯罪的行為をいう。

(出所:Wikipedia『内部者取引』より)

各国のこれまでの規制動向

こうした危険な状況に対して、各国の規制の整備動向はどうなっているのでしょうか。大まかな動きとしては、以下の3つの動きに大別されそうです。

  1. ICOによる資金調達を禁止・違法扱いしている国
    ⇒中国、韓国、インド、インドネシア
  2. ICO規制は未整備だが全面禁止もしていない国(現状は従来の金融規制で解釈)
    ⇒日本、シンガポール、香港、マレーシア、台湾、ロシア、イスラエル、ドイツ、イギリス、米国、カナダ
  3. ICOの法整備を行い規制している国
    ⇒オーストラリア、スイス

こうしてみると、禁止している国はそこまで多くないですね。

現状は法整備が追い付いていないが、警告を出しつつも容認し、従来の金融規制で解釈して規制している国が多いですね。日本も仮想通貨法は世界に先駆けて整備されましたが、ICOについては明確な法律は制定されていませんので、2番に該当しそうです。

オーストラリア・スイスは投資家保護に向けて整備に乗り出している

こうしたなか、ICOの法整備の動きが徐々に出てきています。オーストラリアは世界に先駆けてルールを制定し、次いでスイスがICOの法整備に向けて動き出しました。

最も早くに整備を行ったオーストラリアの規制内容は以下になります。

Initial coin offerings

企業法がICOに適用されるかどうかは、以下に示す要件を検討し、個々それぞれのICOの状況に依存する。

  • ICOの提供方法と種類
  • 発行されたコインに付随する権利
  • ICOの構成と運用

ICOは、企業が資金を調達するオプションや投資家が利用できる投資オプションに重要な貢献をする可能性を秘めているが、投資家の信頼を確保する方法でICOを実施しなければならない。

ICOを使った資金調達は、2017年9月29日の企業法によって規制された[群衆調達資金Crowd-sourced funding(CSF)]とは異なることを強調し、公衆が法の適用について誤解しないように注意する必要がある。

(出所:ASIC『Initial Coin Offerings』より一部抜粋(筆者妙訳))

この動きが広がれば投資家保護(投資の保全)に向けて大きく前進しますし、ICOを一つの投資方法として普及させるためにも必要な動きと考えます。

現状、禁止してない国も検討中の所が多く、今後法整備が進んでいくと予想されます。また、韓国も現状は禁止していますが、法整備を行ってから容認するという姿勢のため、動向が注目されます。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、各国の規制の動きも踏まえてICOに対する私見を書きました。各国の規制動向は以下の3つに大別されます。オーストラリアやスイスのような動きが加速すれば、間違いなく、ICOは資金調達のスタンダード(の一つ)になるでしょう。

最早、「ICOって何ですか?」というのは許されないフェーズに入っていると思います。

  1. ICOによる資金調達を禁止・違法扱いしている国
    ⇒中国、韓国、インド、インドネシア
  2. ICO規制は未整備だが全面禁止もしていない国(現状は従来の金融規制で解釈)
    ⇒日本、シンガポール、香港、マレーシア、台湾、ロシア、イスラエル、ドイツ、イギリス、米国、カナダ
  3. ICOの法整備を行い規制している国
    ⇒オーストラリア、スイス

それでは、皆さんも投資で明日を切り開きましょう!

ではでは。

※ 投資は自己責任でお願いします。

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